ホース取り扱い注意事項

ホース取り扱い注意事項

2021年12月21日

注意事項

1.使用上の注意事項(流体:水、液体)

  1. ホースの許容圧力は、直管状態または許容曲げ半径より大きい曲げ状態で、設計上許容できる最大圧力を表わします。従って、これ以上の圧力で使用することはできません。また、連続して使用できる最高使用圧力(常用圧力)ではありません。
  1. 許容圧力は最高使用圧力ではありません。次の表をご参照の上運転圧力(常用圧力)の設計をしてください。
運転圧力の算出方法 適用ホース 安全係数
(運転圧力)×(安全係数)
≦(許容圧力)
TACフルオロシリーズ
TACエコシリーズ
SDホースシリーズ(一般用、食品用、耐油用、AS、アース入り)
TACヘランシリーズ
2.0
ラインパワーシリーズ 1.5
※各ホースの安全係数および許容圧力については、実際の商品カタログをご覧ください。
  1. ホース性能(許容圧力、運転圧力、曲がり等)は、流体温度、周囲温度により大きく影響を受けます。ホースにより、流体温度が50°Cの場合の許容圧力、及び運転圧力は、25°C時の1/2以下になりますのでご注意ください。(周囲温度:30°C時)
  1. 使用流体により、ホースの材質に硬化、膨潤等の変化が予想されるもの(薬品、溶剤、酸、アルカリ)については、例えば(運転圧力)×3.0≦(許容圧力)となるように安全係数を大きくみてください。
    特に毒性の強い薬品、危険性の高い薬品(高濃度酸、高濃度アルカリ、爆発・引火性ガス等)の場合は、絶対に使用しないでください。ホース破損により人体に重大な影響を及ぼす危険があります。
  1. ホースを土中に埋設しないでください。外圧、内圧クリープにより、補強芯が割れ、漏水する場合があります。
  1. ホースをサヤ管に入れてのご使用は避けてください。加圧時の伸びにより、ホースが蛇行し、補強芯などの割れや、漏水が発生する場合があります。
  1. 水中ポンプの立ち上り部に使用される場合、ポンプ停止時にウォーターハンマーがかかりますので、このような時にも、(4)に示しましたように、安全係数を大きくみてポンプ圧を設定してください。
    ウォーターハンマーによりホースが破損して事故が発生する恐れがあります。
  1. バルブの開閉は、3秒以上かけてゆっくり操作し、衝撃圧が加わらないようにしてください。特にホース先端でバルブ・弁を急に閉じると、衝撃圧が発生し、ホースが破壊する恐れがあります。衝撃圧が発生する場合の目安は、およそ流速(m/sec)の単位を圧力の単位(MPa)に置き換えた圧力が使用圧に加算されると考えてください。(瞬間的に弁を閉じた場合)
    ※流速V=2m/s以下を目安としてください。
  1. ホースは長期間屋外で使用されると、紫外線劣化により変色(黒化)・硬化や、オゾンによる亀裂の発生などが起こる場合があります。変色、亀裂の徴候が認められた時は、できるだけ早く新品と交換してください。
  1. ホースは消耗品とお考えください。
  1. 圧縮空気用の配管には使用しないでください。
    使用条件によってはバーストして、事故が発生する恐れがあります。
  1. 一般用ホースは、医薬品用途でのご使用は絶対におやめください。法の定めるところにより処罰されることがあります。
  1. 純度の高い薬品の搬送用に使用される場合は、ご相談ください。
    (例)純水の搬送に使用した場合、ホースには影響ありませんが、ホース成分が純水中に溶けだし、純水を汚染する恐れがあります。
  1. 食品用途には食品用と分類されているホースをお使いください。それ以外のホースをお使いになると、法の定めるところにより処罰されることがあります。
  1. 食品用ホースを、飲料水・食料品搬送用にご使用の場合はホース内を洗浄してからご使用ください。

2.ホース配管上の注意事項

  1. ホースは消耗品です。長期間の使用により徐々に劣化して行きますので、定期点検(「5.検査」の項参照)で異常が発見されたら使用を中止して、新品と交換してください。
  1. ホースの配管にあたっては、万一の場合に備えホースが破損しても、人体や周囲の設備(電気設備等)に影響が及ばないように配慮してください。
  1. ホースは内圧により、伸び縮みしますので、余裕を持たせて配管してください。
  1. 固定配管で使用される場合は、許容圧力の1/2以下で使用してください。許容圧力付近で使用されると、ホースの伸びが大きくなり、局部的に曲げ半径が小さくなって、破損することがあります。固定配管で使用される場合は、加圧時の伸びの少ないラインパワーをお選びください。
  1. ホースのよじれは、性能低下の原因になります。機器の揺動や回転により、ホースによじれがかかる場合はスィベルジョイント、ルーズフランジ、フクロナットタイプのジョイントを使用してください。
  1. ホースは小さな曲げ半径で使用されると、許容圧力が低下します。
    (運転圧力)×(安全係数)がホース許容圧力付近になる場合は、許容曲げ半径より大きな曲げ半径で使用してください。
  1. 金具付近で、極端に曲げた状態で配管すると、早期に破損することがあります。エルボ等を入れるか、ホースの長さを充分とり、許容曲げ半径より大きな曲がりとなるようにしてください。
  1. ポンプ(配管)の入口側、出口側共に1〜2mホースが直管状態を保つようにしてください。
    また、ポンプの揺れ、振動によりホースに引張荷重が加わるのを防止するため、ホースを固定するようにしてください。
  1. ホースの伸び、縮みや振動、繰り返し動作等で、他の物体にホースがこすりつけられるような場合は、サポートの取付け、保護ワイヤー、ガードスプリング等でホースを保護してください。
  1. ホースの水平吊り下げ使用は避けてください。(天井水平吊り下げ配管等)
    ホースの自重、流体重量、圧力によるホースの伸び等によりタルミ、湾曲が発生し、破損の恐れがあります。
  1. ホースに外からの衝撃を加えないようにしてください。
  1. ホースを踏みつけたり、車で轢いたりしないでください。
  1. ホースを引っ張って機械を移動したり、ホースを取付けたままの状態で、機械や車体等を移動したりしないでください。
  1. ホースを長尺(50m以上)配管される場合は、揚程差、圧力損失等により必要流量が確保できない場合がありますので特にご注意ください。

3.ホース保管上の注意事項

3-1 使用後のホースの保管

  1. ホース使用後は、内部の残留物を水洗い等で除去してください。
  1. ホース内面の付着物を取り除くように水で洗浄し、ホース両端にキャップを施してください。
  1. 直射日光が当たらない場所で保管してください。

3-2 ストックとしての保管

  1. 直射日光が当たらない、湿度の低い冷暗所に保管してください。
  1. チリ、ゴミがホース内に入らないように両端にキャップを施してください。
  1. ホースを大量に積み上げたり、ホースの上に重量物を置かないでください。
  1. ホースを極端に曲げた状態で保管せず、出来るだけ直管状態で屋内の平坦な床面に保管してください。
  1. PVCホースとゴム製品が接触すると、PVCホースが変色する場合がありますので、ゴム製品との接触を避けて保管してください。
    ※製品によっては変色することもありますので詳しくは各製品の「注意」をご確認ください

4.ホース運搬上の注意事項

  1. ホースは運搬時、地面やコンクリート等の上を引きずらないでください。
  1. 積み降し、積み込み作業中に放り投げたり、衝撃を加えないでください。
  1. クレーン等で吊り上げる場合は、1点吊りは避けてください。吊りビームとナイロンスリング等を用い、多点吊りをしてください。

5.検査(事故防止、ホースを安全に使用していただく為)

5-1 日常点検

使用前にホースの外観検査を実施してください。異常が発見された場合は、ホースを取換えるか、または異常部分の除去等の処置を行ってください。

5-2 定期点検

3ヶ月毎に綿密な外観検査、及び許容圧力以下での水圧検査を、次の要領で実施してください。

(イ)外観検査

次のような異常が認められた場合は、使用に適しませんので、新しいホースと交換してください。

  • 金具付近の異常…局部的な伸び、膨れ、湾曲、漏れ
  • 外傷の有無…外面の大きな傷、補強芯割れ、谷部のクラック
  • ホースの異常…つぶれ、変形、折れ、内面の膨れ、剥離
  • その他著しい劣化…硬化、膨潤、ヒビ割れ等

(ロ)水圧検査

新品ホースの加圧時の伸び(弊社の出荷検査成績書のデータ又は、御社での初期加圧テストのデータ、製品の状態等)を判定基準とし、定期検査の値が初期値の1.5倍以上になれば、直ちに使用を中止し、新しいホースと交換してください。
なお、検査は必ず許容圧力以下で実施してください。
必要以上に高い圧力での検査は、ホースの寿命を縮める可能性があります。

6.接続金具、バンドに関する注意事項

  1. ①ダクトホース以外のニップル外径は、ホース内径とほぼ同じか、若干大きいものを使用してください。ニップル外径が、ホース内径より小さい場合には、水漏れ、金具抜けなどによる事故発生の恐れがあります。
    ②ダクトホースについては、ニップル外径をホース内径より小さな設定とする必要がありますので、ご注意ください。
  1. 市販金具の中には、取付けできない金具もありますので事前にご相談ください。
  1. バンドの種類、本数、締付け力により、ホースの耐圧性能は変化します。
    ホースの使用条件により、バンドを選定してください。
    なお、60ページに、それぞれのホースに使用いただける金具とバンドの組合せ表を、記載しておりますのでご参照ください。

7.その他

  1. 使用済のホースは、産業廃棄物として廃棄してください。
  1. 弊社製品は、一定形状を有する固形物ですからSDS対象外となります。(ただし、参考データを準備しておりますので、必要な場合はご連絡ください。)

8.ホースの選定指針

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